がんがんもんもん

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話したいことは山ほどあるけど

ペンダントと文章の再構成の話

「おじいちゃんが他界する三年前の春に私へのプレゼントとして贈られた夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれているペンダント」

を自分が書くとしたらどうするかーみたいな話がTLで出てて、考えてたらなんだか楽しくなって、いつも通り長くなってきたので記事にします。いえい!
 
私はよく無意識でこういう文章を書いちゃいます。
今日も「花言葉に関連した内容の魔法を一日一度だけ使える魔女見習いが花屋に修行にくる話」なんて書いてしまいました。分かりにくい!
花言葉に関連した魔法を使う魔女見習いが、花屋に修行にくる話」でよかったですね。
ちなみにこれはきららMAXで連載していたハナイロというお話です。ほのぼのしていてイラストも可愛いのでぜひ。
 
さて、件の文章。
おじいちゃんが他界する三年前の春に私へのプレゼントとして贈られた夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれているペンダン
ここから先にさらに述語が続くことを考えると、まあ確かに主語にたどり着くまで長いですよね。
図解するとこんな感じなるのかなーと思いました。
f:id:gnmdki:20160529214644j:image
 
こうしてみると「ペンダント」への負担が確かにでかい…
重そう!素早く動けなさそう!可哀想!
こうやって、ひとつの言葉にどのくらいの言葉がのっかってるかをかるーく意識すると、ひどすぎることにはならないかもしれないです。
言葉は、自分に乗ってる言葉を支えながら走ることになります。堆積量の限界みたいなものもあります。のせすぎると支えきれなくて決壊します。
一単語に乗ってる語数が多すぎると、重たくて文章全体が動けなくなっちゃいます。身軽にしていこう。
でも時と場合によって効果として重たくするのはあることだし悪くないから文章って難しいんだよな〜
 
 
なるべく原文を崩さず再構成するなら
 
「おじいちゃんの他界する三年前の春にもらったペンダントには、夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれていた。」
「夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれているペンダントは、おじいちゃんの他界する三年前の春にもらったものだった。」
 
かなぁ。
個人的には前者のほうが読みやすいかなーと思います。まあ好みですね。
 
さっきの図で見ると、「ペンダント」へ続くラインが上と下の2つに別れてるのが分かると思います。なのでその2つで区切ってみただけです。
同じ一文でも結構変わるかなぁと思うんですがどうでしょう。
「ペンダント」身軽になった。動けるね。
 
 
次はいくつかの文にバラしつつ再構成してみます。
おじいちゃんが他界する三年前の春に私へのプレゼントとして贈られた夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれているペンダン
この文章にはいくつかの要素が入ってるんですよね。
さっきの図は単語で区切ってそのつながりで見ましたが、今度は意味ごとに分けてみます。この文で言いたいことはなんなのか。
 
「春におじいちゃんからもらった」
「プレゼントの三年後におじいちゃんが他界」
「夕焼けのように深い緋色」
「ルビーがついたペンダント」
あたりですかね。この辺の分け方も人によるよなー。
 
再構成するにあたって、優先度を考えます。
その後の展開とかで大事なところとか重要になっていくことを印象に残るようにする。
このうちどれを一番優先するのかによってまず色々組み替えてみました〜
 
■ 春におじいちゃんからもらった
他界する三年前、おじいちゃんがプレゼントをくれた。夕焼けのように深い緋色のルビーがあしらわれているペンダント。春のこと、だった。
 
■ プレゼントの三年後におじいちゃんが他界
ある年の春、おじいちゃんからペンダントを受け取った。夕焼けのように深い、緋色のルビー。おじいちゃんはもういない。その三年後、他界したのだ。
 
■ 夕焼けのように深い緋色
おじいちゃんからもらったペンダントには、ルビーがあしらわれている。他界する三年前の春のことだった。手のひらの中で、夕焼けのように深い緋色が、いまも輝いている。
 
■ ルビーがついたペンダン
夕焼けのように深い緋色のペンダント。おじいちゃんが他界する三年前の春にもらったものだ。ルビー。それがこの宝石の名前。
 
重要なこととなれば次の段落でも話すはずなので、そのつなぎのために一番際立たせたい情報は最後に置きます。ついでに最初にそこと関連性のある部分からはじめるとまとまりがいい…のか………???
 
いまいちわかりません。書き出しの文なら最初にばーんといっちゃうのもかっこいい気がします。
「三年後、おじいちゃんは他界した。」かっこいい。
「緋色は夕焼けのように深い。」かっこいい。
「春の夕焼けは、おじいちゃんのことを思い出す。」物語はじまりそう!!!!!!
 
っていうかこの文章かっこいいですよね〜〜〜
「夕焼けのように深い緋色」なんて、一文の中で軽く流す位置に置いちゃうのもったいない感じします。かっこいい比喩はここぞで目立たせてなんぼです。
 
 
ちなみに私が最初に書いたやつです。
 
「ルビーのペンダントを蛍光灯にかざす。深い緋色がきらめいた。祖父からのプレゼントだった。当時の私にその価値はわからなかったけれど、夕焼けと同じ色をしていて、それだけで嬉しくなって太陽にかざしながら帰ったのだった。それから三年後の春、祖父は亡くなった。」
 
余計な妄想を付け足す癖が出ました。「夕焼けのように深い緋色」は、私ならもっと終盤で出す比喩だろうなと思ったのでエピソードに置き換えました。
この場合は、「三年後に祖父が他界」「ルビーのペンダント」を重視しています。
ペンダントをもらう時に、当時は意味が分からない約束やお話をしていて、それがようやく理解できるようになった高校一年生の春くらいのイメージです。
春って出すからには春の話なんだろう。春は始まりのイメージですね。
このあとルビーを求めて変な組織が現れてもよし。祖父の初恋の人を探しに行ってもよし。そのペンダントが鍵になってる祠の封印を解きに行ってもよし。対応するサファイアを持った男の子と出会ってもよし。
妄想かきたてられるいい文章ですね!!!!!
 
 
この文にもし直す点があるとしたら、主体を一貫させることかなーと思います。
主体はおじいちゃんなのか私なのか。
おじいちゃんが他界する三年前の春に私へのプレゼントとして贈られた夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれているペンダン
おじいちゃんが主体になるから「私へのプレゼント」って書かなきゃいけないわけで、自分が主体なら「貰った」で十分意味は伝わると思います。
「おじいちゃん」から「私」への「プレゼント」として「贈られた」
じゃなくて
(「私」が)「もらった」
で済ませちゃうわけですね。(一貫した語り手なので主語も省略しちゃっていいかなと)
いやまあ「贈られた」なので主人公視点ではあるんですけど、「おじいちゃんが」からはじまるとおじいちゃん視点として読み始めてしまうところがあるので。
 
あと「おじいちゃんが」からはじめてしまうと、それが文全体の主語として捉えられる可能性もあります。
主語につく助詞(が、は)は文中にひとつだとやさしい気がします。
この文ではすぐあとに「他界する」が入ってるのでそこまでややこしくはありませんが。
 
極端ですけど
「おじいちゃんがガンで他界する三年前の春に私が誕生日のプレゼントとして贈られた夕焼けのように深い緋色をしたルビーがあしらわれたペンダントが昨晩私と母親が犬の散歩をしてお風呂に入ってから見つからない。」
とかだと、ん?お?おお?ってなりますよね。
なんか国語の問題で「主語と述語はどれでしょう」って出てきそうな文章だねこれ。
 
なので私の文章では「おじいちゃんの他界する三年前」という書き方にしています。でもこれはこれで一瞬意味が取りにくい気がしなくもない。
 
 
かくもむずかしきにほんごかな。
読みやすい文章についてはいろいろ考えているのでちまちま書けたらなあと思います。
それじゃあ続きはまたいつか。